かな書道のお手本では筆頭に挙げられることが多い、いわゆる『高野切』の3冊まとめて出品いたします。 出品は清雅堂発行で、昭和50年（1975年）頃に、コロタイプ印刷にて原寸で原本を精巧に再現したお品です。 コロタイプは製版にガラスを用い、原本を精巧にまた美しく再現できる印刷様式として、かつては高級美術印刷や、またこのような墨蹟の印刷によく用いられた方法ですが、現在ではほとんど絶滅寸前の印刷方式です。 現在は書道のお手本でもカラー印刷が主流になってきていますが、墨色を美しくまた見やすく再現できるとして、カラーよりもむしろこのコロタイプをこよなく愛する方も多い印刷です。 また、今となっては過去の印刷がコロタイプかどうかを判別することも難しくなっていますが、このお品は印刷がコロタイプである旨はっきりとわかるという点で文化的にも貴重なお品と思います。 製本は折帖で、書道のお手本によくある、2面で開いておける体裁の綴じになっています。 折帖は表のみの印刷で、裏は白紙ですので裏から光を当てて敷き写すのにも便利です。 光をあてなくてもトレーシングペーパーでも敷き写しできますが、光を当てるとよりはっきりと墨蹟が浮かび上がります。 試しに下から光を当てて撮影してみました。 一枚は普通に半紙を擱いた場合、もう一枚はダイソーで500円で売っている安価な小さなトレース台を下に置いています。 撮影で手が写るのを避けるために紙が少し浮いて不鮮明に見える部分がありますが、実際には手で押さえればもっと全体を鮮明に映すことができます。 裏に印刷がある通常の書籍ではこれができませんので、敷き写しをしたい方にも良い体裁と思います。 それぞれ釈文の冊子が附録しています。 高野切のお手本をお探しでいらした方に、貴重なコロタイプをぜひどうぞ。 注意事項 どれも50年ほどの経年があるお品です。 3冊とも釈文の冊子が附録しており、本体と冊子を収納する厚紙のケースがあります。 巻のよってケースの小傷や墨の付着などあります。 どの巻も、本文面に鉛筆の書き入れがあります。 多くは枠外ですが、枠内や文字にかかるものもあります（画像）。 鉛筆ですので消しゴムで消せないことはありませんが、消す手間の分お安く出品いたします。 以上、状態のご了承をいただける方のお求めをお願いいたします。