長尺から短尺、硬、軟、自由自在に竹を操り竿に仕上げてしまう方で、馴れ染めは『隠れ谷池』へ幾度となく通っておりました折り、昵懇にさせて頂きました。 そんな時、 『大介でも溜めて引ける竿をお願い出来ないでしょうか？』 魚酔師匠 『難儀な注文やね、』 と苦笑い ４年後、お電話を頂き『隠れ谷池』へ、 渡して下さいましたのがこちら、何時もそうですが竿袋の結びを解く時の緊張感は凄いです(汗) 特に作者が目の前では... 穂先から継いで行き、長さからしては細身で処どころ紋がある美しいシルエット！！　穂先は真竹の4本合わせ、大型も難無く引けます。 軽く、振り易い竿で7:3からの本調子かと思って居ると、何か違和感が？？ 再度、慎重に継いでいき、 違和感が分かりました！！ 『芽』が無いんです！ 本物の竹ですから『節』はあります。が、『芽』が無いんです！！　しかも、『高野竹』？？ それを見て魚酔師匠は笑いを堪えて居たのでしょう！ 大笑いで『難儀したよ、どえらい注文よって！』 『高野は分からんかったらそれ迄と思い、袋には書いて無いよってな、あんたが判ったら良い良い、ハハハ...』 まさか高野竹とは、しかも『芽無し』です(汗) 胴塗りは上朱合に伊勢早での仕上げ♪ 《先輩諸氏はご承知の事ですが、『芽』無しの竹は殆どありません。しかも、高野竹の５本継ぎで『芽無し』は極々稀です。》 《スペック》 全　長、　　　十三尺五寸(約 4m5cm) 継ぎ数、　　　5 節　数(元、) 3 節　数(元上) 3 仕舞い 寸法、　　　　 三寸六分(約 92.7cm) 元　径(握り上) 約 11.8mm 先　径(先　元)約 4.1mm 先　径(先　細)約 1.2mm 重　さ(込抜き) 約 140g ※ 手秤ですので多少の誤差が御座います事、ご了承下さいませ。 年に２度ほど使って来たお竿です。 (５年程使い、後は竿箪笥へ入れていました) 穂先に少し癖が出ております。他に元上の込み上、一番下の節下に横に約 3mmのキズがあります。 (当たって胴塗りが飛んでいます。) 釣りには問題ありません。 小さなキズやスレ、凹みは処どころ御座います。 胴塗りも込みも良い状態です♪ (もちろん、竿袋、込み共はオリジナルです。ただ、竿袋には汚れや経年劣化による焼けが御座います。)